医師の給料の話

私は親が医者ではなかったので、高校生の頃、医師の給料や仕事内容というのは全く想像がつきませんでした。

今回は医学部志望の人や医学部を目指すかどうか迷っている人に向けて医師の仕事内容と給料の関係を語りたいと思います。

 

医師の給料は高い?

まず一般的に医師の給料は高いと思われていると思います。

でもその一方で、「医師の給料は下がってきている」「これからもっと下がる」「医師はもはや美味しい仕事ではない」「激務だから時給換算すると安い」などの意見も耳にすることがあるでしょう。

実際はどれくらいの相場観なのでしょうか。

 

医師の給料は下がっている?

これは事実です。でもちょっと待って。

医師以外も給料って下がってますよね??

サラリーマンの平均年収自体が下がってますよね。

ちなみにインフレ(物価の上昇)を考慮するとより確実に下がっています。

年収は下がるし少子高齢化で少数の現役世代が高齢者を支えないといけないから色々やばいなんて聞いたことはあるでしょう。

 

医師の給料は(もっといえば医学生の家庭教師の時給も)下がってますよ。

※横軸が逆です

 

でも「だから医師は大して良くない」というのは大人の嘘ですね。

サラリーマン全体の給料が下がってるんですから。

 

医師の収入はサラリーだけじゃない

上記のグラフだけでも医師の年収は平均的なサラリーマンよりはかなり高そうですが、「こんなもん?」と思った方もいると思います。

昔ほどじゃないにしても医学部の偏差値って高いですから、もっと稼げないと夢がないと思う人もいるでしょう。

 

ご安心ください。

上記の勤務医の年収というのは医師の中では「お金に興味ない層」が稼ぐお金です。

それなりに稼ぐ意気込みのある医師は臨床医として出世するか開業します。

特に開業医の年収についてはカラクリがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これを見てどう思います?

 

開業医はもちろん勤務医にはない様々なリスクを負わなければいけません。

雇っている看護師さん同士のトラブルにだって関わらないといけませんし、患者が来なくても従業員に給料は払わないといけないでしょう。

だから、勤務医より多少平均年収が高くても開業医は大変なのだ。

というのが一般的な考えかもしれません。

 

ですが、ちょっと待って。この年収には仕掛けがあります。

勤務医にとっての年収と開業医にとっての年収は意味が全く違います。

 

勤務医はサラリーマンですから年収を上げるしかお金をもらう方法はありません。

開業医は年収を低くするほど得なのです。

開業医は自営業だからです。

所得税と住民税は年収に応じて累進課税されていきます。

つまり年収1000万の人が300万の税金を払っていたとして(実際にはもっと払っています。税金は恐ろしいのです。)、

その人が年収2000万になったら税金は600万円でしょうか。

 

違います。1000万くらい税金を取られるのです。これが累進課税です。

(稼ぐのが馬鹿馬鹿しいでしょう?)

 

だから自営業の人は工夫します。

自分に払う給料を自分で決められるからです。

年収は累進課税されてしまうので年収は低めにするのです。

するとクリニックの儲けが増えます。法人にも税金は課されるわけですが、自分に給料を払うより良いのです。

 

それでは生活できないって思いません?

ところが自営業は経費の魔法を使います。

普通の食事などを事業の経費に計上します。本来はグレーな行為ですが、自営業なら誰でもやります。

自分に給料を払わずに生活費はクリニックが払うことになります。

すると所得税や住民税を飛躍的に抑えることができるのです。

専門的な節税は税理士さんがやるとしても、これが世の中の基本なのです。

だから開業医の年収は実情を表しません。

実際に使っているお金に対してかなり年収を低く見せかける仕組みがあるのです。

 

医師のバイト代

勤務医は結構バイトをやります。

医師のバイトには2種類あると思います。

  • 医局に対する奉納金的要素のあるバイト
  • 普通のバイト

医局への奉納金と言われてもピンと来ないと思います。

特に地方の病院は医局から人材(医師)を派遣して貰って成り立っています。

そのお礼に医局の中堅以上の偉い先生に破格のバイトを用意することがあります。

半日で数十万だったりがザラです。これに相場はないかも知れません。

恐ろしい世界ですね。

 

普通のバイトに関しては分かりやすい相場があります。

仕事内容に関わらず時給1万円が相場です。

医師は自分の専門を生かせる仕事を好み、健診バイトとかインフルエンザの予防接種をひたすら打ち続けるバイトなんかは好まれません。

でも医師がいないといけないのでそういう単純作業的な仕事も時給1万円です。

クリニックの外来も時給1万。

希少価値が高い、例えば麻酔科の専門医が手術麻酔を掛けるバイトとなるともう少し上がりますが、劇的には変わりません。

 

つまり何が言いたいかというと、医師免許だけで時給1万なんです。

医師にとってインフルエンザ予防接種バイトって刺身の上にタンポポを乗せるのに近い単純作業なんです。これで時給1万なので、技量とか知識はもはや関係がありません。

 

皆さんが時給1万を高いと感じるか安いと感じるかは分かりませんが、私が高校生の頃の感覚でいうとメチャクチャ高いです。そう思いません?

医師免許があれば食いっぱぐれないとはこういうことですね。

病院をクビになっても時給1万のバイトをフラフラやっていれば家族だって養えるでしょう。

 

 

どうでしょうか。

サラリーマンとして大企業に勤めて年収1000万を超えたとしても、こういうバイトはないのではないでしょうか。

単純に勤務医の年収だけでみるとそこまで魅力的な待遇に見えないかも知れませんが、実際医師の給料はかなり良いと言えます。

 

高校生の段階でどの程度給料を重視して職業を選択するかは人それぞれですが、待遇面で将来後悔することはないと言えます。

医師の待遇が良くないというのは医師が騙しているか、謙遜しているか、騙された無知な他の職業の大人が言っているかのどれかです。

高校生の皆さんは騙されないように。

皆さんの志望学部選びの参考になれば幸いです。

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dngr

東大理三を目指して浪人し、東大模試で理三A判定、センター試験本番で93%得点したところまでは良かったが、550点中1.8点差で不合格になり、慶應医学部に進学して、勉強法ブログをずっと書いているどんぐり。 あと英単語・古文単語学習用アプリを作っています。