まず前提としてですが、一般に使われる
「長期記憶」「短期記憶」「中期記憶(?)」という言葉は
全くの誤用です。
実際はいわゆる短期記憶から長期記憶までに境目はありません。
段々覚えていられる期間が伸びていくだけです。
全く別物のように思っている方や、そう誤解させるような書籍が多いので念のため。
さて、突然ですがこの図を見たことはありますか?
これはエビングハウスの忘却曲線です。
今日は復習の重要性とエビングハウスの忘却曲線について書きたいと思います。
こちらでも紹介していますが、今回詳しく説明したいと思います。
エビングハウスの忘却曲線は「復習の重要性」について語るとき度々目にします。
多くの塾や書籍で紹介されています。
特に赤い線だけの1本になっているバージョンは見たことがある方が多いでしょう。
暗記しても1日後には70%以上を忘却してしまうというショッキングな内容です。
実はエビングハウスが論じた点は他にもたくさんありました。
その中の1つに、復習を繰り返すと忘れにくくなるという事実があります。
これは一部の塾や書籍では取り上げられていることです。
しかし、ほとんど取り上げられていない重要な事実がもう1つあります。
実は最初の図の縦軸は「覚えている割合」ではなく「覚え直すのにかかった時間」を現しています。
つまり、時間が経ち過ぎてから復習すると覚え直すのに時間がかかり、初めて覚えたのと変わらないくらいの速度で忘却してしまうというのです。
かと言って復習が早すぎてまだ覚えている状態で行ってもそれほど効果はありません。
例えば円周率を20桁覚えることを考えます。
最初に覚えるのに2時間かかったとして、1日後には忘れていました。
覚え直すのに30分かかりました。
1週間後にはまた忘れていましたが覚え直すのに20分ですみました。
1ヶ月後…
と段々覚え直すのにかかる時間も減り、覚えていられる期間も伸びるのです。
例えばもし1日後に復習しないで1週間後にやっていたら覚え直すのに1時間30分かかり、
次に1年後に覚えなおそうとするとまた2時間かかってしまう…
という具合に復習の期間が空きすぎると意味が全くないのです。
もちろん復習を頻繁にやりすぎても効率が悪いわけです。
20桁の円周率を毎日復習をしていたら忘れないでしょうし、復習にかかる時間もどんどん短くなるでしょうが
トータルでみてやはり時間をかけ過ぎです。
受験勉強で覚える内容を毎日全部復習なんてもちろん出来ないわけです。
そのために最適なペースで復習できるアプリ(こちら)を作ったのですが、
現在英単語と古文単語しかコンテンツがありませんので、一応結論を出しますと
復習はちょっとやり過ぎてもいい。
ということになります。
なぜなら復習はやり過ぎてもやらな過ぎても効率は悪いですが、
やればやるほどかかる時間が減るため、やり過ぎな方がマシということになります。
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