大学受験勉強で、古典文法が将来何の役に立つのかという議論は昔からあります。
微分積分だって、それを仕事に生かす人はごく僅かなはずです。
それに対して、英語は将来役に立ちそうな気がしますね。
…それって本当でしょうか。
「英語は将来役に立つ」という論調に私はかなり懐疑的です。
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グローバル化なのでは?
グローバル化なんて何十年も前から言われています。
まあ日本にとっては黒船が来航してからずっとグローバル化の歴史だと思いますが。
英語と中国語が話せれば世界の大半の人とコミュニケーションが取れる。
今後ますますグローバル化が進んで、日本語しか話せないなんて通用しない。
なんて言いますよねえ。
ビジネスマンに英語は必須なんでしょうか。
私はそう思いません。
優秀なビジネスマンで通訳を付けてる人は大勢います。
AIが同時通訳する時代は近い
通訳(翻訳)はAIの得意分野でしょう。
AIがプロの棋士を倒すようになってしまいましたが、
もともと暗算の達人とか、記憶の達人とかって、全く機械に敵いませんよね。
機械に負けるのは恥ではありません。
でもAIには得意分野と不得意分野がありますね。
だからAIが人間を超えるとか超えないとかは、まだ先のお話です。
先のお話ですが、通訳に関してはもう持ちません。
正確に意味の通じる翻訳を作ることに関しては、おそらく直ぐに人間を超えます。
同時通訳というのは人間界の最強スキルです。
だって、英語を耳で聞きながら日本語を喋るんですよ。
日本語を喋っている間にも英語を聞くんです。
昔、恋空という携帯小説が流行った頃、
(私は全然好きではありませんでしたが、当時好きだった子が絶賛してたので仕方なく読みました。)
勉強とかはあまりできなそうなヒロインが
「うーん、やりたいこととか良く分からないけど、英語が好きだから通訳者にでもなろうかな☆(ゝω・)vキャピ」
みたいなことを言うんですが、
「多分お前の英語の偏差値2倍にしても無理だぞ…」と1人でツッコミを入れてましたね。
そんなわけで同時通訳って特殊な技能だと思うんですが、
AIは楽勝なんですよ。すぐにやりますよ。
まだ小説とか美しい文章の翻訳は人間じゃないと無理でしょう。
でも意味が取れれば良いような通訳は人間は完敗します。
しかも、本当に間近です。
ですから、みなさんが大学に入って、卒業する頃には、
iPhoneさえあればアメリカ人とも中国人とも通訳者付きのような感覚で会話できます。
というか今でもある程度できますよね。
英語はいらないの?無駄?
じゃあ英語の勉強をする意味はないの?と思われるかもしれませんが、
そんなことはありません。
まず、それを言い出したら、高校で習う内容は全部そうです。
教科書に書いてあることはググれば出てきますから。
その上で、教養的な意味はあるでしょう。
古文なんて生きる上で一番必要なさそうですが、
「凄い」という言葉が古文では「ぞっとするような」という悪い意味なんですね。
言われてみれば現代語でも良い意味とは限りませんね。
「お前凄いな…」ってちょっと引いてるニュアンスもあります。
そういうニュアンスが分かるだけ、意味があるでしょう。
英語も、the flower とa flower の違いが分かれば、英文の意味が分かる場合もあるでしょう。
それしか意味ないの?という問に敢えて答えるとすると、
そうですよ。
英語で将来食っていこうというのは作戦的に間違っています。
将来も役に立つ英語力は?
今後英語で大事なのはニュアンスだと思います。
これはAIが追いつくのには少し時間がかかるからです。
- The flower was beautiful.
- The flower was very beautiful.
より美しかったのはどちらでしょうか。2番ですよね。
でも日本語では…?
- その花は美しかった。
- その花はとても美しかった。
どうでしょう。
文脈によりますが1番の方が美しくないですか?
日本語では飾らないほうが強調されるんですね。
まあ英語でもそういうことはあるんですが、日本語はその傾向がより強いですね。
こういうニュアンスまで感じ取るレベルになれば英語を勉強した甲斐がありますね。
逆に英語で論文を読もうとかそういうのって一見高尚なようで、
AIに負けるので意味ないと思います。
結論
そんなわけで、
英語だけは将来も役に立つと思っているのなら幻想です。
他の教科と大差ありません。教養程度にしかなり得ません。
ですので、英語を神格化するのはやめて、受験勉強に集中しましょう。
総合点で勝てば良いのです。古文で英語の失点を補っても何も悪くありません。
以上、英語は将来役に立つって本当?AIが全部翻訳してくれるんじゃないの?でした。
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