前回は文字計算のミスを減らすテクニックを紹介しました。
書いているうちに熱が入ってレベルが高くなりすぎたかもしれません笑
今回はその心配はありません。
なんせ数値計算ですから。
数値計算とは
4.12×5.55×10-2+1.10×7.11×10-1
みたいなのを有効数字に注意して解くことです。
Contents
数値計算力で点差がつく?
数値計算力で点差がつくのでしょうか。
ずばり化学ではつきます。
数学や物理では数値計算の出現頻度がそれほど高くありませんね。
それでも指数対数で桁数を求めよとか一番大きいくらいの数は何かとか言われます。
数値計算自体に触れる機会が文字計算より少ないですからミスしやすい分野と言えます。
一方、数値計算がやたらと得意な人たちがいます。
中学受験した人たちです。
中学受験では数値計算の練習を死ぬほどさせられるのです。
当然です。文字計算がないですし、小学生ですから複雑な分数や小数の掛け算割り算は訓練しないとままならないでしょう。
でも小学生の頃に死ぬほど訓練させられているお陰で、高校受験組よりも数値計算が速くて正確です。
これでは差がついてしまいます。
数値計算のテクニック
有効数字とはなんぞや
数値計算が苦手な人は有効数字という概念が苦手だと思います。
これはルールだけ覚えようとするとかえって分からない典型だと思います。
有効数字とはどこまで保証するかということです。
ペットボトルの容量が500mlだとして、これって現実世界で500ジャストなはずがないですね。
どこまで正確なのかを表すのが有効数字です。
3.0と言われたら2.95以上3.05未満という意味です。
3.00と言われたら2.995以上3.005未満という意味です。
ですから上と下では全然意味が違うんですね。
末尾に0をつけるのはお約束です。逆に末尾に0がないと有効数字が何桁かわからないのです。
これが分かれば有効数字の扱いが掛けたり割ったりしたときと、足したり引いたりしたときで違う理由がわかります。
3.0+0.0000300
をしても意味が無いのです。
なぜなら3.0は2.95以上3.05なので、0.00003なんてゴミを足そうが引こうが意味ありません。
足したり引いたりした場合は有効数字何桁か、じゃなくて少数第何位まで意味があるか、という勝負になります。
一方で掛け算では片方が小さいから無視なんてことできませんね。
3.0×0.0000300
はどんな値になるでしょうか。
2.95×0.00002995より大きく、3.05×0.00003005より小さい値になりますよね。
つまり0.0000883525より大きく0.0000916525より小さい値です。
つまり掛け算をすると誤差は結構広がるのです。
だから掛け算や割り算をしたときは、計算に使った中で一番有効数字の少ない方に合わせます。
そして0.0000300は分かりにくいので3.00×10-5と書きます。これは見やすいから。
一方30000の場合は有効数字何桁かを明示するためにも、3.00×104と書きます。
数値計算のテクニックとは?
数値計算の話をするのに有効数字の話は避けて通れないので前置きが長くなりましたが、数値計算で身につけるべきテクニックってどんなものがあるんでしょうか。
私が思うに、数値計算は9割以上力技です。
理屈ではなく計算するのです。
ですが、残り1割の中に3つの必要なテクニックがあると思います。
・ルートと2乗の暗記
・分数の暗記
・本当のテクニック(なくてもいい)
ルートと2乗の暗記
これは暗記しないといけません。
2乗はまだしもルートは暗記しないと出てこないからですね。
そして2乗はルートの反対なので2乗もある程度覚える必要があります。
覚えるべき2乗
11×11=121 ちなみに111×111=12321です。覚えやすいですね。
12×12=144 これも2つ同じ数字なので覚えやすいんじゃないですかね。
13×13=169
14×14=196 下二桁が逆ですね。
15×15=225 じじいがごって小学生のころ覚えさせられました。
16×16=256
17×17=289
18×18=324
19×19=361 16〜は懐で、二泊して、三人死んで、寒い、というゴロがあります。よく分かりませんが、雪山で遭難したんですかね。
これがなんで必要かというと√361と言われたときに一瞬で19と分かるんですね。
19×19をする機会も意外にあるので無駄になりません。
分数の暗記
これは複雑なものはいりませんが、0.3333を見て何を浮かべますか?もちろん1/3ですよね。
こういう逆算が必要な場面が少しあります。
主に有機化学の分野です。
なので化学を選択していない人は無視してもいいと思います。
有機化学では組成式→化学式→構造の順に求めていきますね。
これは受験の問題を解く方法というだけでなく、実際の科学の現場で行っている構造解析そのものの流れですよ。
その組成式を求めるときに分数が頭に入っていると早いんですね。
と言っても簡単です。
0.5=1/2
0.33333…=1/3
0.25=1/4
0.2=1/5
0.16666…=1/6
0.14=1/7
0.125=1/8
0.11111…=1/9
これで十分でしょう。
本当のテクニック
前の2つは暗記ですね。
ここからが本当のテクニックです。
私のブログで度々言っていますが、計算はある程度の暗算力が必要です。
計算用紙がグチャグチャになっいて後から見返せないような状態だとかなりミスが増えます。
だから計算用紙でもまるで途中経過を書く答案のように立式のあとすぐ答えというのが理想です。暗算するのです。
でも数値計算でも文字計算でも無理な場合はありますよ。その場合は別の場所で計算して、立式とその答えの周りは綺麗にしておくことをおすすめします。
というわけで、暗算できる範囲を広げるほうが有利なのです。
例えば…
99×99ってどうしますか?普通に筆算しますか?
私が思うに考えるより先に普通に筆算してしまえる計算力は必要だと思います。
が、これはテクニックを使ったほうが良いですね。
恐らく理系でレベルの高い受験生はこれを口頭で聞かれても暗算できます。
99×99=(100-1)×(100-1)=10000-200+1=9801ですね。
それから、もう一つここで意識したほうが良いのは、
・1の位だけ答え合わせする。
・桁があってそうか確認する。
つまり99×99999でも1の位は9×9と同じなので、1なんですよね。
いろいろ計算しているうちに自信がなくなったら1の位だけは確認しましょう。
それから桁ですね。99×99は100×100より少し小さいですから1万よりは少ない9千いくつとかですね。答えがそうなっているか確認しましょう。99801みたいな変な答えになってたら気づけます。
第二問
57×63は?
まあこれも考える前に計算した方が早い説があり、計算して、1の位だけ確認でも十分なんですが…。
(60-3)(60+3)=602-32=3600-9=3591
これが出来れば筆算せずに暗算できますね。1の位も1で合ってますね。
終わりに
こんな感じですね。
計算テクニックと言っても結局は筋トレのような地道なトレーニングが大前提です。
暗算テクニックもそれはそれで頭を使って大変ですね。
計算は奥が深いのです。
筋トレが裏切らないのと同様、計算トレーニングも裏切りません。
私は受験数学にもセンスが必要とブログ初期から訴えていますが、だからこそ裏切らない計算トレーニングを勧めています。
がんばりましょう。
以上、数値計算のテクニックでした。
コメントを残す